D A I L Y   D I A R Y

2001.8/1〜2001.8/31

Go to Diary Logs       Back to TOP


◇手首の傷 2001.8/1(Wed.)

 今週のタームの標準数学TAUBの授業が始まって3日目。
何気なく前に座っている女の子の左腕をなんとなく見たときに、気づいた。
最初はアザかなーと思っていたけど、アザにしては直線的に7,8本も入っていて
数が多すぎる。それに、一番新しいであろうその傷は刃物で切ったものだった。

 自殺にしちゃ、失敗しすぎだし傷も浅すぎる・・・。
そう考えていると、すぐに一つの症候群を思い出した。
『手首自傷症候群』
趣味で心理学書を読み漁った時に二・三度、目にしてショックを受けたのでよく覚えている。
たしか、抑鬱神経症やヒステリー、それに思春期神経症が原因だったはず。
ひきこもりや、登校拒否などのアイデンティティーの確立の難しさからくる人格障害ってこと。

 その症状は傾向通りだった。手首自傷症候群は未婚女性に圧倒的に多く、
傷つける場所は、利き手の反対側の手首の内側の皮膚を安全カミソリで浅く切る。
習慣化する傾向があり、何度も何度も切っちゃう。
心理学者は毎日色々な患者を診てるだけあって、さすがと感じた。

 その女の子はかなりの悩みを抱えてるはずだ。
悩みの内容はたいしたことじゃなかったとしても、本人が対処しきれず
ある限界を越えた地点で破裂しちゃう。
手首を安全カミソリで切る気持ちはどんなだろう。
そんな浅い傷じゃ自殺できないし、切れば痛い。
そうして、切った後手首を見ながら自分が嫌になるのだろうか。

 あぁはなりたくない。そう思っても、ぼくがそうならないという保証はどこにもない。
以前に自分が自傷衝動を持ったことは何度かある。手首を切るという衝動ではなかったけど。
ただ、行為に至らなかったのは、その行為が問題解決に繋がらないし、
自分の血を見たくなかったから。
ただ、それだけの理由。

 

◇終わりの見えない2本の長い鋼鉄 2001.8/2(Thu.)

蒸し暑く、いつものように日差しが照りつける。そんなありふれた8月の一日だった。
夏期講習の数学を終えて、クーラーの効いた部屋から2時過ぎの一番熱い時間帯で
いつになく、ぼけーっと駅のプラットホームの端を歩いてる時にそれは起こった。

 本当に一瞬のことだったと思う。
発車のベルが鳴る中、別に急ぐわけでもなく歩いていると、
後ろから迫り来る気配。そう思った次の瞬間、そのおばさんはぼくにぶつかった。
落ちる瞬間にその後姿からの推測だけど、きっと中年女性といった感じだった。
不意に斜め後ろから勢いよくぶつけられて、バランスを失ったぼくの身体は線路側へと吸い込まれていく。
手は何かを掴もうとするが、空をきるだけでそのまま1m以上の高さがある地面へと落ちた。
バランスを崩しながら落ちたせいもあるんだろうけど、レールの上でうずくまる形で動けなかった。
ほんの2,3秒の事なんだろうけど、落ちた時にレールで膝をぶつけてジンジン痛むし、
数メートル前で停車してる見慣れた電車はドアが閉まるし。
その瞬間はものすごくゆっくり感じられた。
そして、電車はレールの上のぼくに気づかずそのまま動き出して、遠ざかる方向へと。

 まぁ、ちょうど進行方向と逆に落ちたから助かってよかった。
進行方向に落ちてたら今ごろこんな悠長に書いてられないけどね。
レールってさー、すごく硬いんだよ。鉄で出来てるんだろうから当たり前だけどさ。
それに、幅が狭いからホームから落ちてぶつけたらめちゃめちゃ痛いし。
その上列車が走るからか、JR職員さんが毎日磨いてるのかレールってすごく油っぽい。
落ちて、着地の時に触れただけなのに両手にはくっきりと油汚れで真っ黒になるんだ。

 あと突き飛ばした人は、気づいてないのか逃亡したのかいる気配ないし、
線路に落ちちゃっても駅員来ないしさー。奈良の片田舎の駅ならつゆ知らず天王寺でだよ。
環状線、紀伊国線、関西空港線、阪和線、大和路線が走っててホームが結構ある天王寺で(しつこい)
電車が来る途中に突き落とされてたら高確率で重傷か死傷出来たろうし。
ほんと、いつ死んじゃうかわかんないもんだね。
その時に後悔しないように、やりたいことはやっとくべきだよ、うん。
いや、まずおばちゃんにぶつかられて線路に落ちて死ぬってのがヤだな・・・。

 そんな時に、ひとつだけ嬉しかったことは、結構年配のおじいさんが真剣に
「大丈夫か!」と言って、手を差し伸べてくれたこと。
周りの人はぼーっと見てるだけの時に、そのおじいさんの行動は嬉しかった。
でも、手つかんで上ったら今度はおじいさんまで線路に落ちちゃいそうだったけど。
まぁ、いらんことは言わんと気持ちだけ受け取って、カバンを片手で持ったままホームへとジャンプして上がった。
落ちた時に他にもぶつけたのか足が数箇所痛い。

 そして、その親切なおじいさんに丁重にお礼を述べつつ、
駅員が来たら面倒なので人ごみの中へと紛れていった・・・

 

◇ルーティン・ワークス 2001.8/3(Fri.)

1.朝起きる。
2.予備校へ行く。
3.講習があれば授業教室へ、なければ自習室へ。
4.家へ帰ってねる。
その繰り返し。
取り立てて書いても退屈だろうから空白はきっとこうなんだろうなって感じに埋めておいて・・・。
楽しいもんじゃないさ、全然・・・。

 

◇夜空を焦がす夜の大輪 2001.8/13(Mon.)

今日は毎年恒例の地元の花火大会。
今年は先輩たちが場所取りに来れなかったりしたので、昼から場所取り。
時間が空いてる人や、会場に近い人たちで四方山話したり、トランプで戦ったりもした。
途中目の前の舞台の音響が知り合いの業者だったので、社長さんに挨拶したり、
目の前のリハーサルを見たりしながら夜を待った。
夕方が近づいた頃、にわか雨に振られて「延期」の二文字がよぎったけど
無事持ち直して空は準備が出来たことを告げる茜色に染まっていった。
テキ屋に魅力的な灯りがともり始めた頃、駅へと参加者を迎えに行き、
軽い食事とたくさんの飲み物を買って花火を待った。

 カウントダウンの声とともに場内の興奮は高まっていき歓声と共に空に火の玉が打ち出され
すぐ近くでそれは巨大な花びらになり、静かに散っていく。
やっぱ、夏の華は花火だな。
その音を合図にするようにみんなで乾杯をして、飲み始めた。
最初の一缶は普通に空けたんだけど、次に飲むのからはサシでイッキを始めちゃって。
ただでさえ何も食べずに飲むのはまわりやすいのに、5,6人と順番にぶっ続けでイッキなんかしちゃダメだわ。
初めて本当の「酔い」を感じれたかもしれない。
視界が狭いし、平衡感覚を奪われてすぐ側にあるもう一つの先輩たちのグループに行こうとするんだけど
どういうわけか見つけられなくて。
真っ直ぐ進んでるのにどういう訳か、同じ所に出ちゃうんだ。
前に進んで元のところに帰り着く。
普通に考えちゃありえないけど、あるラインを超えて飲むとRPGの無限ループみたいな現象を体感できるみたいで。
自分ひとりじゃムリだと判ったので、もう一人連れて行ったけど今度は人が多いのと、
あたりが暗いせいで結局見つかられなかったんだけど。

 仕方がないので、みんなと喋りながら空の花火をぼーーっと見た。
ほとんど無心に眺めてると、空に舞い上がっては華やかに光を放ち、
静かに散ってく花火が妙に綺麗で、そして消えてくのが寂しかった。 なんか気が付くと先輩がどっからか仕入れてきた日本酒を飲みながら。
今から思えば、それだけ飲む前に食べれって感じだけどさ。
あまり飲みすぎちゃうと、自分が頭に浮かんだまま動く事が多くなって大変危険。
醒めないままかなーり暴走しちゃって。
よく飲んだら記憶がなくなってる人っているんだけど、自分の場合はしっかり記憶にあったので
「覚えてないや」っていうワザが使えないし。忘られれる人は幸せかもしんない。
とりあえず、かなり楽しかった。
騒ぐことが皆無に等しいからなー、最近・・・。
花火を見たのは、最初の方と最後の方だけな気がするのが悲しいが・・・。

 その後は、地元の先輩の家で徹ぷよ大会したり、コンビニに夜中に行って
集団でカップ麺を色々食べたりした。
あれだけおかしな飲み方しても、吐いてしまったり、二日酔いしない自分の体質に感謝感謝。
この場合は親に感謝すべきなのかな?
翌日はそのまま、お盆恒例、お墓参りー。
眠いー・・・。

 

◇Indoor Fire Works 2001.8/19(Sun.)

 高校を卒業してから、みんなが一同に揃うことが全然ないから、
たまには、集まってみよう。
そんな思いつきから始まって、徐々に形を成していった企画。
メンバー同じ卒業年の生徒会+上の代二人。
とりあえず、「夏やし、花火やろか〜」ってのから始まって、
結局は昼12時スタートで、途中から参加してく形式になった。

 都合が合わない人も多く、昼の部は3名のみ参加。
カラオケで何時間か歌ってから、街をぶらついてると少しづつ途中参加のメール。
バラバラに増えてくのは、なんか秩序だってないけどそこが楽しい。

 増えたメンバーで夜のために花火を探して駅前をうろつくが、
近鉄にもMiOにもまともに花火を売っていなかった。
最近は季節を先取りだから終わりかけの季節のものは置いてないのかもしれない。
途中、阿部野橋高架で絵を書いてる知り合いの人に会ったので、色々喋ったりしながら、
結局、引き続き駅付近の店を調べる方と、心当たりのあるちょっと離れた店をあたる方の
2つのグループに分けた。
自分は二人で駅付近の方を調べる側になったけど、結局Loftでも近所のコンビニでも見つからない。
意外とないもんだなぁと呟きながら、もう一つのグループが花火見つけたとの連絡を聞き
もう一人の相方と昔の話をしたりしながら、集合場所の上本町まで歩いた。

 夜が近づくにつれ、予定のメンバーは少しづつ揃っていく。
予定には一人足りなかったのが残念だったけど、集まった面子で一緒に夕食をとった。
なかなか会えなくなったけど、顔を合わせるとあまり変わってなくて。
同じ時間を共有した者同士ってのは、やっぱいいもんだわ。

 いよいよ夜が来て花火・・・の前に飲むことになった。
予備校などが中心にある場所、上本町だけあって飲み物の調達がかなり苦労した。
残念なことに、夜になると色々事情があって帰らなきゃいけない人もいたんだけど
残されたメンバーで楽しく飲んだ。ひたすら飲んだ。
花火が出来ないくらいまで・・・・・・・。
最初のコンセプトから遠くそれて、全然違う事をやってて。
まぁ、それも楽しかったのでよしとしよう。
とりあえず、自分ってのは干渉されると自分でも想像してなかった方向に解放されるのもわかったし♪

 帰りに地下鉄のホームであった知らないおじさんとも仲良しになれるのもシラフでは出来ない特権。
普通の状態だと一歩引いてしまう人でも、普通の状態じゃない者同士だと妙に共鳴して。
久々に、心から楽しかったーーー。

Go to Diary Logs       Back to TOP